(続き)
(災害時)
県および市町村は、平時より、災害時における動物の適正な飼養又は保管のための準備を行うよう努めるとともに、災害が発生した場合には動物の健康及び安全の保持のために必要な措置を講ずるよう努めること。また、飼い主と動物との同行避難を可能にする避難所の準備態勢を平時から整えること。
動物の飼い主もまた、平時から災害時に備え、フードや薬の予備、ケージやキャリーバッグの購入やしつけなど、避難生活の準備を行うこと。災害時には、動物との同行避難をすること。
(猫の飼い主の責務)
猫の飼い主は、猫の健康及び安全の保持並びに生活環境の保全のため、屋内での飼養又は保管に努めなければならない。
(地域猫の推進)
県も市町村も、地域で避妊去勢を行い野良猫の頭数を減らす地域猫の活動をあらゆる面で支援し、避妊去勢手術の有効性を訴えるよい機会ととらえ、啓発に努めること。
このように地域で管理を受け終生飼養をされる地域猫を決して捕獲して処分してはならない。出入り自由な猫も多い我が国で、外を徘徊する猫には飼い主がいる可能性がある。また、地域猫として避妊手術を受け地域住民から管理されているものもいる。特に、地域猫の印である耳カットの入った猫を捕獲し行政施設に引き取らせ処分するという行為は何人もしてはならない。
知事は、やむを得ず猫を引き取る際には、猫の所有者又は占有者を確認しつつ関係者の意向も踏まえた上で、引取り後に譲渡の機会が得られるよう最大限努めるよう、各地方自治体を指導すること。
<餌やり禁止条例>でなく、<地域猫支援条例>を!
最後に、この茨城県の条例が、餌やり禁止条例にならぬようお願いいたします。
たとえば荒川区の「餌やり禁止条例」は、ボランティアの地域猫活動を支援するどころか、「餌やるな」の人々を加勢する条例となりました。愛護動物に餌を与えず衰弱死させることで数を減らすという方法は、未開で野蛮、先進国としてあるまじき方法です。地域猫活動は我が国でも50年の歴史があります。民間の努力を無視し、「餌やり禁止条例」を施行した荒川区に、全国で活動する動物ボランティアのどれだけの方が傷つけられ疲弊したことでしょうか。
餌だけ与えて手術をしないで増やしてしまう、ただの「餌やりさん」も、ルールを守って手術と掃除を行うボランティアも、ともに「餌やり禁止」とされました。そこに生きる猫をやり方はかまわぬから一掃してほしい、とは土地の所有者からよく話です。しかし行政までが!
人と猫の共生を目指すためには、私たち住民は、好きでも嫌いでも、協力し合い、いのちの問題として取り組んでいかねばならないのです。
「餌やり禁止」の文言が大手を振って歩けば、心あるボランティアは委縮し、活動を停止、手術を済ませた野良猫にも世話が行き届かず、結局は動物愛護の精神から遠ざかるをえなくなります。これでは野良猫問題は解決しません。住人同士のにらみあいのなかで、痩せた猫が次々と子猫を産み、人の心が荒廃します。
地域猫では、餌やりが前提です。餌をやれねば私たちは手術をしません。手出しができません。つらい手術を受けさせる限りは、終生生かしてやれる条件が整わねばならないからです。
地域猫を破たんさせる「餌やり禁止」「餌やり制限」の条例になれば、茨城の町々の片隅で野良猫の避妊手術や譲渡を自費で行っているボランティアはつぶされ、猫があふれます。
ここに、昨年8月28日の参議院環境委員会付帯決議を紹介させて頂きます。
「飼い主のいない猫に不妊去勢手術を施して地域住民の合意の下に管理する地域猫対策は、猫に係る苦情件数の低減及び猫の引取り頭数の減少に効果があることに鑑み、官民挙げて一層の推進を図ること。なお、駆除目的に捕獲された飼い主のいない猫の引取りは動物愛護の観点から原則として認められないが、やむを得ず引き取る際には、猫の所有者又は占有者を確認しつつ関係者の意向も踏まえた上で、引取り後に譲渡の機会が得られるよう最大限努めるよう、各地方自治体を指導すること。」
以上、よろしくお願い申し上げます。