ヴァカンスの時期になると、たくさんの犬猫が捨てられていたイタリア。
人間が海や山へ長期滞在するためいなくなり、からっぽになった8月のゴーストタウンに、もとは飼われていたであろう犬猫が、おなかをすかせてゴミあさりをする光景が社会問題となっていました。
高速道路のサービスエリアで置き去りにされた犬が、あわれ道路に出て轢かれてしまうという事故もしばしばニュースで取り上げられ、人を巻き込んだ人身事故に発展しかねないと、政府も長らくその対策に苦慮していました。
そして、イタリアは国をあげて、すべての犬をマイクロチップや入れ墨で個体識別し、15ケタの番号で州に畜犬登録(anagrafe canina)することで、飼い主をつきとめる制度を作ったのです。犬の登録内容には、犬種や性別、色などが含まれます。
飼い主は自らの税務コードと身分証明書を提示し、SVP(県・市の獣医局)に届けを出します。犬が逸走したとき、犬が死んだとき、いなくなったとき、あるいは飼い主が転居するとき、誰かに譲渡するときは、必ず内容変更の届け出をしなければなりません。
子犬に関しては、マイクロチップを入れないと販売譲渡できませんし、生後60日前の販売は
犬の精神面の成長・社会性の獲得を阻害するとして許可されません。
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この個体識別と登録により、飼い主の責任も明確になるため、犬の終生飼養もあたりまえになります。
また、国全体の犬の頭数を把握することで、伝染病予防などに役立てることができます。
そして何より、迷子になった犬猫が飼い主のもとに戻るのも容易になります。
逸走した犬を探す飼い主さんは、自分の犬の15ケタの番号を
保健省やASL(保健センター)のサイトの
所定のページに入力します。
すると、じっさいに犬が保護されているセンターやシェルターで照合されるというわけです。
イタリアでは、たとえ善意であっても、徘徊している犬を勝手に保護して飼ってはなりません。
必ず市警察に届けることが法律で定められており、犬が飼い主のもとへ帰るのを妨げてはならないとされます。
(飼い主がいない犬は健康チェックのあと民間・公的シェルターで里親譲渡の募集がかけられます。)
イタリアでは、かつては入れ墨が主流でしたが、近年はマイクロチップ管理が広まっています。ASL(州の保健センター)よりも、地元のSVL・SSP(県や市の獣医局)、個人の動物病院でマイクロチップを入れることが一般的です。そして、だいたいどこもリーダー(読み取り器)を持っています。
行政での致死処分数の多い日本でも、個体識別と登録の、罰則付き義務化が急がれます。
マイクロチップがまだ先なら、過渡期のいまを乗り切るために、(数年で消えてしまう、虐待、との声も聞きますが)入れ墨の検討は如何でしょうか。
いのちの重みを理解できない人に簡単に飼わせないための、「飼い主をつきとめる」仕組みがほしい。
税の導入も効果があるのではないでしょうか。